起立性調節障害に襲われ、朝起きることができず学校を休みがちに
だけど、両親には「怠けている、甘えている」と、言われ
友達には「さぼっているんじゃないの」と言われ、とても辛い
このように誰からも理解されず、辛い思いをしている子はいませんか?
これはきちんとした病気で、原因が必ずあります。
今回は、起立性調節障害になる子供の原因についてご紹介します。
●起立性調節障害とは
まず初めに、起立性調節障害とはどんな疾患なのかをご紹介します。
起立性調節障害は、自律神経の異常で循環器系(血液の循環)が上手くいかなくなり、様々な全身症状を起こす疾患です。
自律神経とは、自分の意志ではコントロールできない血液循環や、呼吸、消化、排泄、体温調節など「生命を活動を維持」するための重要な役割を担っています。
症状は以下のようなものが挙げられます。
- 立ちくらみやめまいがある
- 疲れやすい
- 長時間立っていられない
- 朝は調子が悪く起きられないが、午後になると元気になる
- 動悸や息切れがする
- 入浴時や嫌なことが合った場合に気分が悪くなる
- 食欲があまりない
- 乗り物酔いをする
ただ、起立性調節障害の症状と似た疾患もあり、中には命に関わる病気が隠れている場合もありますので、起立性調節障害とは決めつけず、病院に行って検査を受けて下さい。
似た疾患:甲状腺機能亢進症・脳腫瘍・鉄欠乏性貧血・原発性肺高血圧症等
起立性調節障害は、自分自身はとても辛いものの、両親や友達には分かってもらいにくい疾患です。
それによりストレスがかかり、症状が悪化して「学校に行けなくなったり、家に引きこもりがち」になってしまったりと、日常生活にも支障を起こすお子さんも少なくありません。
では、なぜ起立性調節障害を起こしてしまうのでしょうか?
次に、起立性調節障害になる子供の原因をご紹介します。
●起立性調節障害になる子の原因
起立性調節障害は大人にも見られる疾患ですが、多くは10~16歳の小学校高学年から中学生のお子さんです。
小学生の場合だと全体の約5%、中学生は全体の約10%と起立性調節障害で悩んでいるお子さんが沢山おられます。男女比は男:女=1:1.5 ~2と男の子に比べ女の子が多いようです。
では、どうしてこのように起立性調節障害はお子さんに多いのでしょうか?
それは…
・過度な精神的ストレス
最初に、起立性調節障害は自律神経の異常により起こると言いました。
そして、この自律神経は精神ともつながっています。
例えば、感動的な映画を見たときには涙したり、好きな異性から声をかけられるとドキドキしたり。
このように、涙が出たり、心臓がどきどきするのは自律神経の働きになりますが、これらの状態はその時の精神状況によっても現れてくるのです。
ですので、辛いこと、悲しいことなど、こういった精神的にストレスが過剰にかかってしまうと、自律神経が乱れてしまい、うまく機能しなくなってしまいます。
ストレスが上手く発散できる子はいいですが、特にまじめで気を遣う子は、ストレスをうまく発散できず自分自身のなかで抱え込んでしまう傾向にあります。
他にもこういった性格の子はストレスを抱え込みやすいので注意です。
- 内向的
- 子供の頃から聞き分けが良い
- 自己主張が苦手
- 一つのことをくよくよ考えがち
- 集団生活が苦手
- 空気を読みすぎる
こういった子達は、自分自身でストレスを発散できないので、ストレスをため込んで、起立性調節障害を起こしかねません。
その子の話を聞いてあげて、少しでも理解してある事がストレスの緩和となります。
ですので、起立性調節障害の子供には「辛かったのね。大丈夫よ。」と声をかけてあげて下さい。
そして、一緒に生活などを見直して起立性調節障害を改善していきましょう。
では、次に生活習慣で気を付けて頂きたいことをご紹介します。
●生活習慣で気を付けたいこと
では、起立性調節障害を改善する為に生活習慣で気を付けたい事をご紹介します。
それは、3つあります。
- 食事
- 睡眠
- 運動
この3つに気を付ければ、自律神経のバランスが整ってきます。
では、具体的にどのように気を付けたらよいのかお伝えしますね。
・食事
- 食事の時間を一定にする
- 偏った食事をしない(特に砂糖は注意)
- お水と塩分をこまめに摂る
- 身体を温める食べ物を食べる
まず、食事のリズムを一定にして生活リズムを整えましょう。
砂糖を多く含む食べ物は、身体を冷やすので血液循環がさらに悪くなり症状を悪化しかねません。
白湯と塩分をこまめに摂りながら、血液量を増やしましょう。
そして、温かい食べ物を食べて全身に血液が通えるようにしましょう。
・睡眠
- 夜更かししない
- 寝る前の1時間はスマホやパソコンを触らない
- 夜中に目が覚めても、スマホやパソコンを触らない
- 二度寝しない
夕方から交感神経が働くため、夜もなかなか寝ずらい状態になります。
だからといって、スマホやパソコンの光を浴びると交感神経がさらに活発になるので、余計に眠りにつきにくくなります。
ですので、寝る前は、スマホ・パソコンは見ないこと。
夜中に起きってもスマホやパソコンを触らないこと。
オレンジ色のライトで寝ると眠りにつきやすくなりますよ。
・運動
- 適度に運動を行う(ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動)
適度な運動は、自律神経のバランスを良くしてくれますし、体温が高まり回復力や免疫力が高くなります。
体調がすぐれない時にはしなくていいですが、比較的症状が緩和して精神的にも安定している時は運動をおこないましょう。
運動はできないけどストレッチならできるという時はストレッチも積極的に行っていただくと、やらないよりかは身体の調子が違ってきます。
では、最後に起立性調節障害に効果的なストレッチをご紹介します。
●起立性調節障害に効果的なストレッチ
では、起立性調節障害に効果的なストレッチを2つご紹介します。
1つ目は自律神経を整える「下ねじりのストレッチ」です。
自律神経は背骨から出ています。
背骨の動きを良くすることで、自律神経の働きも良くなります。
①体操座りをして背筋を伸ばす。
②右足を外側に倒し、踵を左のお尻の前に置く。
③左脚は右足の外側におく
④右肘を左膝の外側に置き、左手は身体の後ろに置いておく
⑤息を吸いながら、背筋をピンと伸ばし、息を吐きながら身体をねじっていく
(下の背骨からねじっていく)
⑥この状態を5秒間キープする
反対側も同じように行う
2つ目は下半身を鍛える「英雄のポーズ」です。
起立性調節障害は循環が上手くいかなくなることで起こりますが、下半身を鍛えることで血液を上半身に運べるようになるので、立ちくらみといった症状が緩和されます。
①両脚を揃えて立ち、片足を大きく前に出し、もう片方の足を後ろに下げる
②息を吐きながら前に出した足の膝を90度も曲げ、腰を落とす
③ゆっくりと息を吸い、両手を上にあげて伸ばす
④視線を上にして、ゆっくりと背筋を伸ばしながら反っていく。
(胸部や腹部が伸びるのを感じながら行う)
⑤3~5回呼吸を行ってキープする
足を反対にして同じように行う
●まとめ
お子さんに起こる起立性調節障害の原因は、精神的ストレスによっておこります。
精神的ストレスをきちんと取ってあげないと、悪循環になって改善するにも時間がかかってしまいます。
そこで大切なのが、周囲の方の協力です。大丈夫よ。と声をかけて少しでもストレスから解放できるようにしてあげて下さいね。
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